とつおいつ

すこしだけあさく ゆるくこぼれるさむけを

ありふれた小細工を 折り紙でしたため

拭うようなテンポで 春を眩クラっている

つじつまを合わせた かぎ針を用いている

工程も比重もない、チェックメイトの傍ら


手荷物は少々短絡的な形を持つが

名残をとどめたロープとボールで、

こどものらくがきと、夢を見ているのだ


こちらがわから そこそこ注ぐには

まだ潮騒が足りなくて

うまれかわることもできない

鋭利な底庭は足もつかないほど薄っぺらい

音もなく 焼かれたトルテが香りを放ち

緑青の縁取りに蔦が絡まり

深く思っては、却って 葵

忍び寄るばかりの死の安穏が

緩んだ精神論画、としてこの夜を彩るという


満開の桜の今 鳥の声が遠く高く、

道を遮るは、ひかり

見ず知らずのコを 連れてくる

散漫で幼稚、退屈の恣意 貧弱な策に凭れる

覆いかぶされる、たとえばかりの永遠。

安直な棒読みを、羅列した行動が

いつか どこかに、さっきまで そっちこそ

今を疾走らせるのだと、諭されている


すみれ色の雑草を探し、

歩いては 或るゐ手は

araireika

詩だと思って書いてる