坩堝の絶咲 胡蝶花(シャガ)

波濤のうしろほど暗示ゆえ讃え

枝先の傍ら梢の裏口にて

災厄と暗唱する風に誘われ

依代を校正し、何度でも擦り重ねる

瓦礫の山であって 露わにする 坩堝の絶咲

そよそよと、在る。

気持ち重く比重傾く 前後不覚の明窓浄机

不可逆の物音を亡くした場は乱暴に腐っていたが

光を溢した一握りが未だ生を残しているのだから

またこの部屋の時間はとどまることを知らなかったと言える

傾カシいだ物音が身に反響する事によって侵略から夕べを外す

ケムを殺した嵐が暗黙と赫赫とそぼ降る

残存する誇り

陀仏に残渣は媚び残土が微塵に腑抜ける

遊蕩の天国と円舞曲とのたうつ。

一ツだけ、そこにあるフラクスンは大分抜け落ちて

はらりとこちらに向かせたのだ

背に軸を射して翼が腐りはじめたばかりの青眼も濁りに充ち

唾棄殺し刺し転がしたまま、永遠に変わらないビスクドール

釈迦にも似て 芽を醒ました、

月の肌をも吊る 妍ウツクしい 毀れもの

araireika

詩だと思って書いてる